第2回(2010年)「海の日」懸賞論文 には、15本の論文が寄せられました。
日本海洋政策研究会学術委員会による審査の結果次の5本が優秀論文とされました。
最優秀賞
「発生材の高付加価値化と環境規制強化による船舶解撤の国内回帰について」
東京大学工学系研究科社会基盤学専攻博士課程4年
吉村耕平
優秀賞
(1)「日本港湾の復権と港湾組織づくり」
大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程グローバル・ビジネス専攻3年
姜天勇
(2)「首都直下型地震を想定したプレジャーボートによる海上救援システムに関する提案」
日本大学理工学部海洋建築工学科4年
岡本直也
(3)「海洋エネルギー利用についての提言」
東京大学大学院システム創成学専攻修士課程1年
塚本大介
佳作
「海洋ゴミのない海洋立国を目指して」
北里大学大学院水産学研究科専攻修士課程2年
柴田晴佳
講評
昨年に引き続いて、「海の日」論文の募集が行われた。海洋基本法が謳う「海洋立国日本」の実現に向けて日本の将来を背負って立つ若い人達から提言を募集し、海への関心を呼び起こしたいという趣旨である。今年も学生・院生を中心に15本の論文が寄せられた。提言は、海洋立国や海の安全についての総論的な政策提言から、ソマリア海賊情報共有センター、プレジャー・ボートによる救難システム、海洋ごみ、沿岸都市活性化の方策、日本人船員の育成、日本港湾の復権、海洋エネルギー利用、海水浴場と子供の安全環境、船舶解体の国内回帰の方策、海洋安全保障のための国際協力など、かなり専門的なテーマについての提言が多かった。海を基盤に日本の生き延びる方策を具体的に考えようとする若い人々が増えつつある証左であろう。頼もしい限りである。
審査委員長(日本海洋政策研究会学術委員会委員長)
奥脇直也