第4回(2012年)「海の日」懸賞論文 には、4本の論文が寄せられました。
日本海洋政策学会学術委員会による審査の結果、優秀賞1編(最優秀賞は該当なし)が選ばれ、表彰されました。

優秀賞

「海上事故防止協定(INCSEA協定)網の構築に関する提案」
上智大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科国際関係論専攻
原田 有(はらだゆう)

講評

本年の「海の日論文」への応募は意外にも4件にとどまった。東日本大震災が社会と海洋の総合的な復興計画の立案を必要としている中で、学生諸君の関心が陸域の復旧という内向きになっていることの反映であれば危惧すべきことである。応募論文は、津波流出瓦礫処理、救急艇兼病院船の提言、海上事故防止協定など大変に興味深いものがあったが、事実の記述と政策の提言とのバランスが必ずしもよくなく、一長一短であった。最優秀賞の該当はなかった。優秀賞をえた論文も、国防機関のレベルにおける海上事故防止協定の例が、海上警察機関などの船舶にも実行可能なモデルを提供するか、疑問の点もある。いずれにせよ、海は日本再生のキーワードである。新しい海洋利用と沿岸社会との調和、海洋と沿岸域の総合的管理がますます重要となる。若い人の海への関心を持続的に引き出す努力が求められる。

審査委員長(日本海洋政策学会学術委員長 明治大学教授)
奥脇直也

第4回(2012年)「海の日」懸賞論文 には、4本の論文が寄せられました。
日本海洋政策学会学術委員会による審査の結果、優秀賞1編(最優秀賞は該当なし)が選ばれ、表彰されました。

優秀賞

「海上事故防止協定(INCSEA協定)網の構築に関する提案」
上智大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科国際関係論専攻
原田 有(はらだゆう)

講評

本年の「海の日論文」への応募は意外にも4件にとどまった。東日本大震災が社会と海洋の総合的な復興計画の立案を必要としている中で、学生諸君の関心が陸域の復旧という内向きになっていることの反映であれば危惧すべきことである。応募論文は、津波流出瓦礫処理、救急艇兼病院船の提言、海上事故防止協定など大変に興味深いものがあったが、事実の記述と政策の提言とのバランスが必ずしもよくなく、一長一短であった。最優秀賞の該当はなかった。優秀賞をえた論文も、国防機関のレベルにおける海上事故防止協定の例が、海上警察機関などの船舶にも実行可能なモデルを提供するか、疑問の点もある。いずれにせよ、海は日本再生のキーワードである。新しい海洋利用と沿岸社会との調和、海洋と沿岸域の総合的管理がますます重要となる。若い人の海への関心を持続的に引き出す努力が求められる。

審査委員長(日本海洋政策学会学術委員長 明治大学教授)
奥脇直也

Published On: 2012-07-20|Categories: 表彰情報|

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