第3回(2011年)「海の日」懸賞論文 には、18本の論文が寄せられました。
日本海洋政策研究会学術委員会による審査の結果、最優秀賞2編(優秀賞は該当なし)が選ばれ、表彰されることとなりました。
最優秀賞
「災害時の支援船ネットワーク構築の提言」
神戸大学大学院海事科学研究科海事科学専攻
森重萌木子(もりしげ・ももこ)
最優秀賞
「退職海上保安官・自衛官を活用した海洋安全キャパシティ・ビルディング支援に関する提案」
東京大学公共政策大学院公共管理コース
齊藤純一(さいとう・じゅんいち)
講 評
「海の日」論文の企画も徐々に認知度が高まってきている。今年は全部で18編の応募があり、内容的にもなかなかユニークかつ具体性のある提言が増えてきたように感じた。応募者の属性からみると、大学院生が多いのは当然としても、一般社会の方からの応募がもっとあってもよい。特定の大学から多重応募もあったが、この論文顕彰を大学教育に役立てようとされている先生がおられるのかも知れず、そういう応募が増えることも大歓迎である。この企画の周知を図って、多様な分野から自由なアイディア、意見、提言をうることは、将来にむけての海洋政策への合意形成を促進する上で、海洋立国をめざす日本にとって重要な貢献となるであろう。 応募論文の審査は予備審査および本審査の二段階で行われた。いずれも所属、氏名などを一切伏せて厳正な選考がなされた。結局、最終的に2編の論文が群を抜いた高得点を収め、またその間での優劣がつけ難かったため、異例ではあるが両者を最優秀とした。応募論文のテーマは別表に示されているように多岐にわたり、海洋政策的な問題の広がりと多様性を示している。いずれも重要な問題を扱っているが、審査においては、提言の技術的実現可能性や独創性、議論の具体性や説得性などの観点が重視された。来年もまた応募論文を読むのが楽しみである。
審査委員長(日本海洋政策学会学術委員長 明治大学教授)
奥脇直也